今の歯科治療は昔に比べてどのように進歩していますか?
これは私なりの考えなので、他の方はどう思っているかわかりませんが、歯科の材料だけは日々進歩しています。いわゆる、白い歯、被せ物と言われるもの―セラミックが典型的です。昔は、人間が何日もかけて作った物を、今はスキャナーでコンピュータが削り出して、3Dプリンターで仕上げているものもあります。
また、顕微鏡などを使って、細かい歯の根を見て治療する根管治療というのも行なわれています。
ただ、これらの新しい技術にも一長一短があります。
例えば、コンピュータが作り出すものは、実際に口腔内に入れた時に合わない事があります。これは、コンピュータが真面目に作り過ぎて、遊びの部分が全くないからです。いわゆる「ミクロンの隙間」がないと、物というのは入らないからです。また、理論上は正確でも、スキャナーの誤差などにより、歯に適合するのはなかなか難しいのです。
顕微鏡を用いた治療も、顕微鏡のセットアップに時間がかかるので、セットアップにばかり時間が取られてしまうというデメリットがあります。実際は、肉眼などで見た方が効率が良く、患者負担も減るというわけです。顕微鏡をセットしている間は、患者さんは口を開けていないといけないし、うがいも出来ないのです。